『みちしるべ』第15号 2005年5月26日発行
お茶を楽しむ会主宰 近藤 美知絵
久しぶりに故郷鳥取に帰りました。
新緑の中、岡山県との県境まで足を伸ばすと山小屋風の食事処があり、真っ先にお茶がティポットで出てきました。おばん茶の中にクマザサ、カワラケツメイ、ゲンノショウコ、イカリソウなどの薬草が入っていて、おいしいお茶。お料理はタラノ芽の天ぷら、コゴミの胡麻和えなどの山菜、なつかしい味でした。
もともと、おばん茶は野山の薬草と一緒に混ぜて飲む生活があったのです。お茶が毒消しにもなったと思います。再認識しました。
山陰地方の家庭で飲まれていたお茶は“陰干しばん茶”といって、お茶の木を枝ごと刈り取り束ね、陰干しし、飲む時にバリバリッとあぶるか焙じて飲むものでした。