みちしるべ

『みちしるべ』61号 2020年09月30日発行

 

私のばんばら茶語録

和紙ちぎり絵作家 尾曽 律葉

尾曽律葉作、四季折々オリジナルの炉屏
 ひと粒で二度おいしいというキャラメルがありますが、
「一服で三度おいしい
  ばんばら茶」

 一度目は茶筒を開けた瞬間、漂う香に、朝一番の幸せをいただきます。
 二度目は熱湯を注ぎ蒸らしたお茶を香と共にいただく時「あ゛〜おいしい」主人は決まって一声をあげます。毎日飽きないおいしさ。
 三度目は口に含んで飲みほした後、鼻からぬける、ばんばら茶の香の余韻。私がたまらなく好きな味わいなのです。
「何はなくても
  ばんばら茶」

 私は絵を描く仕事柄常に〆切が目の前にあり複数の美術会での任務に追われますと、一番弱い胃腸にシグナルが。そんな時茶パックにばんばら茶を入れ生米と共にコトコトぐつぐつ。茶粥が炊き上がるまで、空腹のお腹を温かいばんばら茶で満たしてあげます。お腹をこわした時・かぜをひいた時・身心共に疲れた時、ばんばら茶は私にとって、どんな薬よりも素直に働いてくれる良薬なのです。
「お茶はもともと薬だったのよ。ましてこの自然茶は昔からそこにあった大地や石に根を下ろし、ミネラルを吸収し、そこに循環する大気をすって育ったお茶ですから自然のエネルギーを頂ける」
 近藤先生が教えて下さいます。
「こんな時こそ
  ばんばら茶」

 今、世界中に猛威をふるっている新型コロナウイルスです。生きた人間に住みつき成長拡大すると言われていますが、ひとつの意志を持った生き物として、私たち人間に、もの事の真価を問い、なげかけている様に思えてならないのです。ここにきて私達がやれる事は、一人一人がうつらないうつさないに徹する事と日々の生活の中で免疫力を高める事です。そしてこんな時こそ、ゆっくりいただくばんばら茶なのです。
 大自然に一礼しながら、自然茶に出会えた事に今こそ感謝しなければと強く思うのです。
  • 身心共に寛げ、身体の凝りをほぐしてくださる程のお茶会。
  • 東日本大震災時、仙台での個展会場では、被害者でもあられるお客様お一人お一人に、その冷たく固くなった心をときほぐして下さった近藤先生の自然茶。
自然茶に出会えた事への感謝を、本文を通してお伝えできましたらどんなに嬉しいことでしょう。
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